本、建築、ときどき旅。
by fracoco-Y
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2008年 01月 27日 ( 1 )
ピピロッティ・リスト展
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からから、という名前の展覧会。

ええと、今を遡ること8年前、
東京都現代美術館で、彼女の作品を初めて見た。

水色シフォンのワンピースに赤いハイヒールで
顔には笑みを浮かべ、足取りも軽やかな女性が、
手には棒を持ち、路地を歩いている。
そして突如、にっこり笑ったまま、手に持った棒を振りかざして、
路上に停まっていたクルマの窓硝子を叩き割るのだ。

その印象が強烈だったので、
作品と共に、ピピロッティ・リストの名前が脳裏に焼き付いた。

ピピロッティ・リスト、日本初の個展@原美術館。

床板に開いた2センチほどの穴から見える、映像作品。
燃え盛る焔を背にして裸の女性が何事か訴えかけている。
(女性は実はリスト自身)

「膝ランプ」、という作品。
一台のランプとひとつの椅子。
椅子の座面に映像が投影されている。
その椅子に座ってみると、膝の上に映像が映るのだった。
日が当たって透き通る葉の葉脈や、茸の映像が膝の上に落ちるのを、
不思議な気分で眺める。

すると二、三の人が集まってきて、私の膝の上を見る。
何だか、自分も作品の一部になったかのような気持ちになる。

「部屋」という名の作品。
モニターが一台と、巨大な赤いソファがふたつ。
ソファの座面は床から70cmくらいあるので、靴を脱いでよじ登る。
ソファの上にはこれまた巨大なリモコンが。
十数のチャンネルはすべてリストの映像作品。
ソファをよじ登る自分のぶざまな姿が可笑しくもあり。

あの硝子割り作品も。
それは、「Ever is Over All」というのだった。

女性が手に持っているのは棒ではなくて、花で。
(どこまでもフェミニンなのだ)

婦人警官が後ろからやってきて、彼女を追い越していくが
見咎めもせず、ただにこやかに挨拶をかわすだけだ。
彼女は路上に列ぶ車を一台一台、硝子を割りつづける。

からから、という展覧会の名前は作家自身がつけたのだと。
乾いた感じでもあり、高笑いでもあり。

ピピロッティ・リスト、からから:2月11日まで。
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by fracoco-Y | 2008-01-27 17:58 | art