本、建築、ときどき旅。
by fracoco-Y
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2008年 02月 25日 ( 1 )
メディア・リテラシー
私の幼少時代の三大事件といえば、
ホテル・ニュージャパン火災、日航機墜落事故、
そして、ロス疑惑だった。

ロス疑惑。
長身で、派手で、ちょっととっぽい感じの三浦氏、
舞台がアメリカ西海岸、ということも相俟って
適切な表現かどうか判らないが、
私の中では、どこか、その後のバブルの時代を連想させるような
イメージの事件であったように感じられた。

2003年に最高裁で無罪判決の出たロス銃撃事件。

その事件の被告であった三浦和義氏が渡航先のサイパンで
身柄を拘束されたという。
今頃?と、ひどく、びっくりした。

当時、事件の渦中にあった三浦氏は、
限りなく黒に近い灰色の人物として私の目に映っていたし、
また、多くの人の目に、同様に映っていたであろうことが
ネットの記事などから散見される。
それ故、控訴審、上告審の無罪判決には少なからず
意外な印象を受けたものだった。

一方で、氏が、複数の報道機関を相手取って
名誉毀損の民事訴訟を起こし(約500件)、
その半数以上に勝訴し、総額5000万円以上ともいわれる賠償金を
獲得したことも知り、当時の報道が常軌を逸した過熱報道であり、
まだ犯人とも決まっていない人物への
人権侵害を甚だしく行っていたらしいことも知った。
(三浦氏宛ての封書を勝手に開封する、
氏の怒った表情を撮影するために、
一緒に買い物に出た子を突き飛ばす、など)

思えば、子供の私が三浦氏を「かぎりなくあやしい」と思ったのは
メディアによって得た情報をもとに抱いたイメージである。
直接三浦氏に会って話をしたわけでもなければ、
裁判を傍聴したわけでもない。
(そしてメディアの横暴を想起させるネットの記事もまたメディアではある)

メディアの報道によって、この人こそ犯人では、と思われた人物が
実際には犯人ではなかった、という例は、
最近では香川県の祖母と孫が殺害された事件であったし、
遡れば松本サリン事件もそうであった。

メディア・リテラシー、という言葉がある。
日本語に訳すれば、「メディアを読み解く能力」というところか。

私の「イメージ」は正しいのだろうか。

そんな折、ネットに以下のような記事を見つけた。

(ロス疑惑の過熱報道当時三浦氏が)
深夜番組の「トゥナイト」で
評論家の田原総一郎と論争した際、田原は
「メディアが独自に調査して犯罪者だという疑惑を報道する自由がある」
と発言。これに対して三浦は
「それは自由だが、もし犯人ではないと分かったら責任を取って欲しい。
報道される側は生活が破壊されるのに、
メディアは何のリスクも負わないのは不公平だ」と反論している。
(「ロス保険疑惑事件(事件史探求)より抜粋」)


これは三浦氏の言うとおりで、
もし、田原氏が実際にそう発言したのだとすれば、
犯罪者であるという疑惑が間違っていた場合の
メディアの責任の取り方についてはっきり言及しない限り、
不遜だろうと思う。

各報道機関が、長野の河野氏や、香川の山下氏に
手をついて詫びを言ったという話は聞かないし、
あの報道は誤りでした、という訂正もついぞ見なかった。

ロス疑惑で、三浦氏が犯人なのかどうか、私には計り知れない。
しかし、メディア・リテラシーの必要性はあらためて感じるのである。
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by fracoco-Y | 2008-02-25 23:52