本、建築、ときどき旅。
by fracoco-Y
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カテゴリ:journey( 10 )
感動体験。
…と言うといかにも手垢のついた言い回しだが、
久しぶりで食で感動。
ところは札幌ススキノ、薄野の、些か古びた小学校めいた建物の、市場向かいの一杯飲み屋(これは尊敬を込めた呼び方。)。
五人坐ればいっぱいの、小さな店。

そこでなんと、焼きたての牡蠣を一ツ105円で賞味出来るのである。(持ち帰りもOK)

窓の外は吹雪。
メニューはほかに漬物、北あかりの塩辛バター載せなどなど。
ビールの小グラスが一杯250円。
食べ過ぎに注意のサイン。さもありなん。

more
[PR]
by fracoco-Y | 2009-03-07 20:29 | journey
お伊勢まいり 六
さて、話は少し戻って23日に遡る。
その日は早起きして、外宮を参拝した。

参道はまだほの暗い。

朝の空気がきりりと頬を刺す。

まだ少ない参拝者。

清げである。

早速に正宮、別宮を参拝すると、
神宮司庁の職員と思しき方に話かけられた。
今日は新嘗祭があります。

正宮の前には一列に人が並んでいる。

私もその列に加わると、やがて衣冠束帯姿の勅使の一行が来られた。

世にもたえなる沓音がした。

それは清涼な川のせせらぎのようなので、あった。
[PR]
by fracoco-Y | 2008-11-26 19:25 | journey
お伊勢まいり 五
これは式年遷宮のためである。

伊勢神宮は世にも珍しいことに、二十年に一度、正殿から宝物に至るまでそっくり新しく造り替えるならわしがあるのだ。
隣の空地はそのための敷地である。

二十年毎に建物を一新する理由は定かではないが、
建築や伝統技術の継承のためであるとする説や、
清浄さを旨とする神道の性格からであるとする説、
または、茅葺き屋根や、礎石を用いず柱をじかに建てる建築様式から、長年の使用に耐えないためとする説などがある。

さて、神宮に詣でて感じたのは、
金気が少ない、
ということであった。
屋根や扉等には飾り金物が用いられているものの、
神社にはつきものの、あのじゃらじゃらした鈴もない。

ほとんどは白木で造られていて、簡素で、また力強い。

ものは全然違うが、何故か私はパルテノン神殿を連想した。
[PR]
by fracoco-Y | 2008-11-25 19:47 | journey
お伊勢まいり 四
正宮の建築の配置は、外宮も内宮もほぼ同じのようである。

が、印象はずいぶん違う。

外宮の正宮が、手水舎や神楽殿といった建物と同じレベルにあり、敷地も平坦であるのに対し、
内宮の正宮はひときわ高い場所にあり、かつ、弧を描くような敷地形状をしていることにより、
内宮の方が、より謹厳な雰囲気である。

一方で、ごく簡素で清らかな建物から、何かほがらかなものも感じられる。

奥の正殿には、実際に天照大御神が起居していられるような錯覚を覚えたりする。

両宮の正宮とも、隣接して同等の空地が設けられている。
[PR]
by fracoco-Y | 2008-11-24 23:10 | journey
お伊勢まいり 三
さて、神宮は外宮と内宮の二つから成り立っている。

祭神も、外宮が豊受大御神、内宮が天照大御神と異なる。

外宮と内宮とは車で15分程の距離。

先に内宮が祭られ、外宮は後になって、丹後国から豊受大御神を招聘したらしい。

参拝順序は外宮→内宮の順が正しいとされる。

それで私もそれにならう。

両方に詣でて、たしかに内宮はここに神宮を建てるべくして選ばれた土地、という感じがした。

内宮の正宮は、とりわけ小高い一隅にある。
青石の階段を上がりきったところにめぐらされた板塀。

一般に人が立ち入れるのはこの最外周の板塀のうちまでである。

正宮の正殿は、さらに三重に囲われた塀のうちにあって、外部とは厳然と距離を保っている。
平たい、大ぶりの砂利が通常人の立ち入らない内側の塀の内に敷き詰められている。

中央部だけは真白な砂利、周辺部は墨色の砂利である。

建物は非常に簡素である。

手前側には高床式の倉を思わせる建物。

正殿に至っては、手前の建物に阻まれ、その形も明らかには見えない。
[PR]
by fracoco-Y | 2008-11-24 23:08 | journey
お伊勢まいり 二
鳥居には、榊と紙垂が飾られてある。

参道は、長い。
昼なお暗い並木が両脇に広がる。
途中、右手に手水舎。

手水舎を過ぎると鳥居があり、
さらに行くと、右手は不意に視界が開け、青石を用いたなだらかな階段。
階段を降りたところには五十鈴川。

e0132381_22363837.jpg


昔はここで禊ぎをしたのだと一目で察せられる。
楓の赤が美しい。

川の対岸も岸壁が石積みになっており、
自然そのもののようでいて、そうではない、
いわば人為の自然の美しさに驚かされるのである。
[PR]
by fracoco-Y | 2008-11-24 19:59 | journey
お伊勢まいり 一
かねてより伊勢神宮に詣でたいと思っていたのが、この三連休で実現した。
(白神山地、屋久島、出雲大社に厳島神社も気になるが、それはひとまず措く)

今日は、しのつく雨の中、内宮へ詣でた。
そして、これまでに、これほど自然と調和した宗教施設を見たことがナイ、
と思って目を見開くことしきりであった。

まず、川に架かる橋を渡るところから内宮は始まる。

川は五十鈴川という。流れはごく緩やかである。
紅葉した山が川向こうに鎮座する。

木の橋(右側通行)を渡りおえると、細やかな砂利が、踏むたびにじゃっじゃ、
と小気味よい音をたてる。

右手には、縁石と、ごく背の低い垣根越しに、よく手入れされた松と芝生が続く。
左手には杉の並木。

鳥居はもとは白木であったのが、風雨に晒され、銀灰色めいている。
だが、見事な大木。

e0132381_22413449.jpg

[PR]
by fracoco-Y | 2008-11-24 19:06 | journey
キューバ!
何年も前に見た、旅行雑誌に載っていた、キューバの風景が忘れられない。

信じがたいほどの海の碧。
金満家の吸うようなイメージのハバナ葉巻を、
道端にしゃがんでくゆらす町のおばあさんのいなせさ。

その時、キューバに憧憬が芽生えた。

その後、試写会で見た、ヴェンダースの
「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」。
古色蒼然とした、ハバナの町並み。静謐で、時間が止まってしまったかのような。

ハバナの町のように熟成された様子のミュージシャンたち。

映画はよかった。
表現したい気持ちを抑えて、カメラの回るのにまかせた感じがあって、
それがよい方にはたらいていた。

キューバはヘミングウェイの移り住んだ土地でもあった。

少し前に、新聞にキューバの記事。
フィデル・カストロにインタビューを試みたアメリカ映画の話。

生まれ変わっても、だったか、永遠に、だったか、
「権力を持ち続けたいか」という質問に対して、
「そんなことは出来ないし、また望むべきではない」と、
きっぱり応えたカストロ議長。
キューバには政治的腐敗が少ない、とも言う。

決して豊かではないが、人々の教育水準は高く、大学まで学費は無償。
ある日本大使館員の家庭で、メイドとして働くある女性は、精神分析ができるとか。

それを読んで、ますますキューバに惹かれた。

今夜の世界遺産はハバナが舞台だった。

クラシカルな町並み。
その街中を走るクラシック・カー。
キューバ革命後、資本家の多くは国を離れ、あとに車が遺されたのだそうな。

キューバを旅したら…。

ラム酒を、たっぷりのさとうとライムとミントとサイダーとで割った、
氷を浮かべたモヒートを飲みながら、ぐにゃぐにゃになって、
ますますキューバに眩惑されるのかも知れなかった。
[PR]
by fracoco-Y | 2007-08-06 01:03 | journey
コネマラの薄明
8月に、友人と新宿のバーで飲んでいたら、
メニューに、「アイルランド、コネマラ地方のウィスキー」というのがあった。

新宿でコネマラの名前を聞くとはよもや思わず、私は感慨に襲われた。

コネマラ地方はアイルランドの首都ダブリンから列車に乗って
西へ3時間ばかり。

第三の都市ゴールウェイからバスに乗り継いで、
さらに1時間ほど行ったところにある。
ケルトの遺構が少し。あとは風よけの石垣とまばらな牧草地が広がる、
点景に羊のある、そんな土地だ。

曇りがちで、時折り細かな雨が降りかかり、
かと思うとにわかに晴れ間が広がり、
筆で刷いたような蒼い空に覆われる。
私は、ただ借りた自転車に乗って辺りを一周し、
B&Bの窓から外を眺め、朝食にはライ麦パンを食べ、
スクランブル・エッグとトマトとスモーク・サーモンを食べ、

ただぼ~っと、他には何もしなかったところである。

開高健が、釣りにかけて
「アイルランドにコネマラというところがあると聞いた。」と綴り、

彼の葬儀で弔辞を読んだ司馬遼太郎は、
直ぐ手前のゴールウェイまでは行ったことが
著書「愛蘭土紀行」から窺われるが、
その後コネマラに立ち寄ったことがあったかどうかは不明の、

そんな土地である。


でも、もしあなたがアイルランドに行くとして、
どこへ行くのがいいか、と尋ねられたら、
e0132381_19494646.jpg
私はぜひコネマラへ、と勧めるだろう。
[PR]
by fracoco-Y | 2006-10-02 00:53 | journey
東京ステーションホテル
東京駅が4月から復原改修に入るのは知っていたけれど、
東京ステーションホテルもそれに伴い、長期休業すると言う。
なんだか惜しむような気持ちになり、にわかに泊まってみたくなった。

駅の中のホテル、というのが非日常的で、
とりわけホテルから望む丸の内南口の改札ホールが
どんな風景なのか気になっていた。

平日の夕方、するりとロビーへ滑り込む。

こじんまりとしたカウンター、吹き抜けの階段、紅い絨毯、広い廊下。
そして廊下の突き当たりの眼下には東京駅丸の内南口ホール。

夕食は、せっかくだから、とホテル内のレストラン「ばら」へ行った。
窓のすぐ向こうに、電車の行きかうのがあまりに迫って見えるので、
とっさに、その昔フランスのリュミエール兄弟が映画に撮った、
シオタ駅に到着する汽車の映像を思い浮かべてしまった。

バスルームは取ってつけたようだったけれど
(実際開業当時は各部屋にバスルームはなかったらしい)、
部屋数があまり多くなく、もてなし方もどこかおっとりとしたこのホテルで、
オイルヒーターを流れる水音を聞きながら、
微かな古き時代の匂いをかいだ様に思ったのは、気のせいだっただろうか。

e0132381_13133052.jpg

[PR]
by fracoco-Y | 2006-03-11 01:12 | journey