本、建築、ときどき旅。
by fracoco-Y
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瀬田温泉
自販機にコーンスープのあらわれる時分になると、
あああ秋だなぁ。
と思う。

さて。
しばらく休みなしの日々が続いて、疲労が雪のように降り積もったので、
昨日、仕事の帰り道、
そうだ、温泉にいこう
とJR東海のCMのようなことを思った。

向かった先は、二子玉川から歩いて10分、
瀬田温泉。

いわゆる都心の温泉のハシリかと思われる。
名前はかねて知っていたものの足を踏み入れたことはなく。

館内はすいていた。
番茶色の(東京の地中深く汲み上げられる温泉は
どれもこうした色らしい)湯舟で手足をゆらゆらさせる。

(いま、ここでこうしていることを、誰も知らない)
それは、どこか心安らぐ感覚で。

露天風呂でわたしは湯に溶けてしまい、
あとには抜け殻が浮かんでいるばかりだった。
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# by fracoco-Y | 2008-10-18 10:45 | diary
落語、焼鳥、ハイボール。
秋の夜長の愉しみは、銀杏だと断言したい。(個人的には)

秋の夜、居間で、折り込み広告を拡げて、煎りたての銀杏の殻を割り、
そこへちょいと塩をつけて食べるのは、
静かで、冬に火燵にあたりつつ蜜柑を食べるのに通じる情緒を感じる。

さて、先日中野で柳家三三の噺を聞いた。
これは前々からチケットをとっていたので、
刺客よろしく追われている〆切りを、かなぐり捨てて聴きに行った次第。

年枝の怪談、という、ドラマチックな噺に引き込まれ。

その後立ち寄ったのが、中野北口商店街を脇道へ入ったところにある焼鳥屋。

カウンターに小さなテーブル席が三つ四つの。
そこで銀杏を食べた。
薄黄緑に透き通った、ただ、塩だけで味つけした、申し分のない銀杏。

ああ。
やはり銀杏は、いい。
今年、母の拾ってきた銀杏は、ベランダで。
外側の皮の朽ち果てるのを静かに待っている。
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# by fracoco-Y | 2008-10-18 01:17 | diary
モータウン
深夜の帰宅途中、コンビニの明かりに吸い寄せられるようにして
入っていくと、懐かしいメロディ。

ラジオが掛かっていて、
流れてきたのは「モータウン特集」。
Jackson5のI want you be backを聴きながら、
(マイケルって歌うまいな~)
と思う。
モータウン好きだった(今でも好きかも)友達を思う。

ヘンに疲れていて、身体は重いのに、二、三曲の間、立ちずさんでしまった。

結局、コンビニでタピオカココナッツミルクと韓国ノリという、
妙な取り合わせの買い物をしてしまう。
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# by fracoco-Y | 2008-10-17 00:01 | diary
遠い声
先日、一目惚れについて触れたが、
本当に、めっきり一目惚れをしなくなった。

通勤電車に乗っていても、目を吸い寄せられるような人は
あまりいなくて、
ただ、疲れているんだろうなぁ、
という表情を浮かべている人が、多い。
(あるいは、疲れて、むっつりとした表情を浮かべて
電車に揺られているのは、私なのか。)

他方では、私も年齢を重ねて、
中学生が隣のクラスのJ君の後ろ姿に心を揺さぶられるような
惚れっぽさがなくなった、ということもある。

ただ、
時折、声に惹かれる、ことがある。

たとえば。
電話で。

昔、さるソフトウェアの会社に問合せをしたことがあった。
新しく入れたばかりのソフトの使い方を、
懇切丁寧に説明してくれた電話の向こう側の人に、

いい声だな、

と、本題とは関係のないことを思った。

きっと上背があって、肩幅の広い・・・
想像をめぐらせた。

思いがけず、そのS・・・・氏と会う機会があった。
たぶん、あまりに要領を得ない、こちらの頻繁な問合せに
同情して(業を煮やして?)、特別に仕事場へ出張してくれることに
なったのだ。

へぇ・・・、声とすこし印象がちがうんだ。

仕事場へあらわれたS・・・氏を前に、
また、本題と関係のないことを思った。

それから、
仕事場を訪問してくれたのを機に、いつしか・・・・

ということは全く無く、
ただ、ソフトウェアの年間契約の更新のときなどに、
ごくたまに、S・・・氏と電話で話をする。

「ーお元気ですか?」
「ーええ、相変わらずです。」

そして私は、S・・・氏はいい声だなぁ、
と相変わらず思う。
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# by fracoco-y | 2008-10-02 12:20 | diary
時空飛行
この間、渋谷駅前の交差点を渡ったところで、
センター街から大音量のB'z。

‘流れてゆく遠い街の灯が、知らん顔で美しい…’

私が、高校生の頃に流行った歌。

その頃私は高校生で、ショートカットで、ミニスカートなんか履いていたのだ。

ーはやくピアスをあけたくて、うずうずしていて。

ー夏に、友達のBちゃんと、浜名湖までB'zのライブに行った。

ーレポート用紙で友達と手紙をやり取りした。

ー横浜駅から河合塾に向かう途中の、
ステラおばさんのクッキーの匂いがひどく魅惑的だった。

ー遠い学校の子に一目惚れした。

そういえば、めっきり一目惚れというものをしなくなった。
一種の老化現象なのか。

風景が、1993年のそれに見えた。
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# by fracoco-Y | 2008-09-30 23:52 | diary
ほーびに抱いてあげます
先日、図書館で
何かおもしろい本はないかなぁ、
と物色していて。

たまたま手に取った鴨居羊子の本。

ーあ、これは。
森茉莉、武田百合子の文章に通じる匂いを感じて、
私はうれしくなった。
率直で、歯に衣着せない物言い。
天衣無縫、ワガママ、かつ
細やかな眼差し。

鋭い言語感覚はどこからくるのだろう?
と思ったら、
もと新聞記者だった。のちに下着デザイナーに転身。

すばらしい色彩の、ヘタウマとも言える絵を描くし、
ノラ犬、ノラネコと話ができる。

彼女が子供だったころ、
ねずみ捕りにかかったねずみが、
野菜くずなど行儀よく両の手で持って食べるところを見ると
とても殺すにしのびず、
野原へ連れて行って放してやったら、
ネズミは降って湧いたあまりの幸福をにわかには信じかねて
しばらくその場でぼーっとしていた、
など
なぜかおもしろせつない話の数々。

明治生まれのすぐれた気性の母上が、
「今度成績がよかったら、お母さんがほーびに抱いてあげます。」
と言ったエピソードにもぬくもりがあり。
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# by fracoco-Y | 2008-09-29 23:46 | book